総領(読み)すべおさ

精選版 日本国語大辞典 「総領」の意味・読み・例文・類語

すべ‐おさ ‥をさ【総領】

書紀(720)持統三年八月(北野本訓)「伊予の摠領(スヘヲサ)田中の朝臣法(ほむ)麿等に詔して曰はく」

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デジタル大辞泉 「総領」の意味・読み・例文・類語

そう‐りょう〔‐リヤウ〕【総領/×惣領】

家名を継ぐべき人。家の相続人跡取り
いちばん初めに生まれた子。長男または長女
律令制以前、重要な国に置かれ、近隣数か国の政務を監督した職。すべおさ。
中世武士の族的結合の長。惣領地頭
全部を支配すること。
将軍があとをば母堂の二位の尼―して」〈愚管抄・六〉
[類語](1跡取り跡継ぎ嗣子家督跡目後継者相続人世継ぎ/(2長子初子はつご初子ういご次子末っ子長男長女次男次女長兄次兄長姉・次姉

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普及版 字通 「総領」の読み・字形・画数・意味

【総領】そうりよう(りやう)

すべ治める。〔漢書、魏相伝〕宣始めを親(みづか)らし、治を爲す。~而して相、衆領し、甚だ上(しやう)の(かな)ふ。

字通「総」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「総領」の意味・わかりやすい解説

総領
そうりょう

広島県東部、甲奴郡(こうぬぐん)にあった旧町名総領町(ちょう))。現在は庄原市(しょうばらし)の南端部を占める地域。旧総領町は1955年(昭和30)領家(りょうけ)、田総(たぶさ)の2村が合併して成立。2005年(平成17)庄原市に合併。国道432号が通じる。旧町域は中国山地吉備(きび)高原上にあり、米麦中心の農業のほか、和牛飼育、野菜・コンニャク栽培などが行われる。スギヒノキの良材生産地としても知られる。過疎地域で人口流出が激しかったが、近年「過疎を逆手にとる会」(2001年「逆手塾」と改称)など県北の農村再興の中心となっている。1985年、セツブンソウの自生が確認され、以後、セツブンソウの栽培が行われている。龍興寺(りゅうこうじ)には行基(ぎょうき)作と伝えられる観音(かんのん)像がある。

[北川建次]

『『総領町誌』(1994・総領町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「総領」の意味・わかりやすい解説

総領
そうりょう

広島県北東部,庄原市南部の旧町域。吉備高原上にある。 1955年田総 (たぶさ) 村と領家村が合体して町制。両村の1字ずつをとって町名がつけられた。 2005年庄原市,西城町,東城町,口和町,高野町,比和町の1市5町と合体して庄原市となった。領家地区はもと天領。平坦地が少なく,農業と林業が主。米作のほか,コンニャクイモ,シイタケなどの栽培が行なわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「総領」の意味・わかりやすい解説

総領(旧町) (そうりょう)

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世界大百科事典(旧版)内の総領の言及

【国司】より

…これは律令的な地方官で,その官制は長官・次官・主典(判官ともある)の三等官制だったようであるが,定員の規模はのちの令制の国司よりもかなり大きく,管轄区域も令制の数国にまたがる広域支配のものであった。したがって当時国司の文字が当てられていたかどうかは疑問で,《常陸国風土記》ではこれを総領と呼んでいる。この国司ははじめとくに造籍・校田と民間の武器の収公を任務とし,民政全般をつかさどったわけではなく,裁判権も認められなかったが,大化末年から白雉年間(650‐654)にかけてのちの令制につながる国郡制が整えられていき,その結果この広域支配の国司は一部の地方を除いて消滅したとみられる。…

※「総領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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