遣・致(読み)おこす

精選版 日本国語大辞典 「遣・致」の意味・読み・例文・類語

おこ・す【遣・致】

[1] 〘他サ下二〙 こちらに送ってくる。よこす。
万葉(8C後)一八・四一〇五「白珠の五百(いほ)つつどひを手にむすび於許世(オコセ)海女(あま)はむがしくもあるか」
[2] 〘他サ四〙 ((一)が室町頃に四段に転じたもの) (一)に同じ。
曾我物語(南北朝頃)九「あまりのおもしろさに、斧の柄のくつるをわすれ、曾我へ人をこして候」
※虎明本狂言・雁盗人(室町末‐近世初)「爰元ではしった者がござなひほどに、はやう代物をおこさせられひ」
[語誌]下二段活用を本来とするが、中世後期に四段活用が生じる。同じ意味を表わす語に「よこす」があり、室町時代より使用がみられる。「物類称呼‐五」に「つかはせといふ詞を 大坂にて、おこせと云〈略〉江戸にて、よこせと云」とあるように、両語には、関西方言の「おこす」と関東方言の「よこす」という地域的な対立がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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