通りゃんせ(読み)とおりゃんせ

改訂新版 世界大百科事典 「通りゃんせ」の意味・わかりやすい解説

通りゃんせ (とおりゃんせ)

わらべうた遊びの一つ。創始はつまびらかでないが,《通りゃんせ》は江戸期のわらべうたといわれているところから,江戸期からの遊びといえよう。曲名の《通りゃんせ》がそのまま遊事名として全国的通称になっているが,地方によっては〈天神様の細道〉とも呼んでいた。時代,地方により多少の相違はあるものの,遊び方の基本的概要は次のとおりである。まず鳥居の形を作る者を2人決める。両人は対面し,それぞれの左手右手(あるいは両手)を組み,肩の高さにあげて鳥居を作る。他の者は一列縦隊になり,全員で〈通りゃん(らん)せ通りゃん(らん)せ〉といって始まる。以下,鳥居になった2人と他の者とがわらべうたに準じて問答を行い,最後に他の者全員が鳥居をくぐって〈往きはよいよい帰りはこわい〉という。2人は〈こわいはずだよ狐が通る〉といい,鳥居をくぐって逃げようとする者をたたく。たたかれた者は次回の鳥居となり,遊びが再開される。地方によってはたたかれた者が鬼となり,鬼ごっこ,かくれんぼに移行する場合もある。おもに女児中心の遊びとして,全国津々浦々で行われてきたが,近年はほとんどみられなくなった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「通りゃんせ」の解説

通りゃんせ

日本唱歌題名江戸時代から伝わるわらべうたに基づく。本居長世による採譜編曲。発表年は1921年。2007年、文化庁日本PTA全国協議会により「日本の歌百選」に選定された。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android