追掛・追懸・追駆(読み)おいかけ

精選版 日本国語大辞典 「追掛・追懸・追駆」の意味・読み・例文・類語

おい‐かけ おひ‥【追掛・追懸・追駆】

〘名〙
① 追いかけること。あとから追うこと。おっかけ。
一つのことを追うように、すぐ次のことをすること。また、次のことがすぐ起こること。おっかけ。
※俳諧・蘿葉集(1767)二「追かけの客は木にある柚味噌哉」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉四「彼は追(オ)ひかけに直ぐ断りの手紙を出して了った」
③ 遊里語。相手の意中を知るために、知らないことを知ったふりをして返事を聞き出すこと。鎌(かま)を掛けること。〔評判記・色道大鏡(1678)〕
通行人を襲って、物品を奪ったり危害を加えたりすること。また、その犯人。おっかけ。
※結城氏新法度(1556)一〇〇条「野山にひき籠、博打かをいかけいたすべく候間、別人野山にいろふべからず」
⑤ 映画で、追跡の場面。
※夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉トンガリ「飛行機の追馳(オヒカ)けのある三巻物の活劇
⑥ 不良仲間の隠語で、目をつけた女を尾行すること。
※社会観察万年筆(1914)〈松崎天民現代女学生「女の後に尾行して行く『追(オヒ)かけ』などの手段を用ひ」

おい‐か・ける おひ‥【追掛・追懸・追駆】

〘他カ下一〙 おひか・く 〘他カ下二〙
① 後から追う。先行する者に追いつこうとして急ぐ。追跡する。追っかける。
保元(1220頃か)中「大将の陣の前、敵の追ひかけむもあしかりなんと思ひて、直下(まっくだ)りに逃げたりけるが」
② 一つの事に続いてさらに事が起こる。また、前の事に続けて物事をする。追っかける。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「急病電報がかかって〈略〉追かけて死去の電報が来た」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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