辺戸岳・安須森(読み)へどだけ・あすむい

日本歴史地名大系 「辺戸岳・安須森」の解説

辺戸岳・安須森
へどだけ・あすむい

辺戸岳はフィルダキともいう。辺戸へど岬の南西約一・五キロに位置する古生代二畳紀の石灰岩(本部層)からなる山。安須森の名でもよばれる。山の平面形はほぼ楕円形で、南北一・二キロ、東西〇・九キロ、東側が高く西側が低い。最高点は南東部の二四八・三メートル。北側にはドリーネ(溶食凹地)がある熱帯性カルスト地形。この古生層の山は鋭角逆断層(衝上断層)によって、東側のより新しい古第三紀の名護層(粘板岩・千枚岩)の上に乗上げている。山の北側から東側は急崖で、二〇―五〇メートルの裸岩の絶壁をなしている。崖下には崩落した岩屑からなる傾斜三〇―四〇度の斜面があり、石灰岩特有の植生に覆われている。現在、山の東側(辺戸集落側)の最も高くそびえ立った部分(国土地理院発行の二万五千分の一の地形図に「辺戸御嶽」とある部分)を安須森、南端の露岩を黄金森くがにむいという。安須森については「おもろさうし」巻一七の一七に「一 へとのあすもりに おせや(辺戸の安須森で 吹け ヤ)/へとのきりくちに おせや(辺戸の切り口〔断崖〕で 吹け ヤ)/おせや やちよく(吹け ヤ 宿子〔家刀自〕)/又 けよのよかるひに(今日の良き日に)/けよのきやきやるひに(今日の輝く日に)」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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