軽米(読み)かるまい

改訂新版 世界大百科事典 「軽米」の意味・わかりやすい解説

軽米[町] (かるまい)

岩手県九戸(くのへ)郡の町。人口1万0209(2010)。県最北端に位置し,西は二戸市,北は青森県に接する。北上高地北端の一角を占め,標高300m前後の低山地が広く分布する。中央を雪谷川,瀬月内川が北流し,県境付近で合流して新井田(にいだ)川となる。中心集落の軽米は近世九戸街道宿場町で,付近で産する砂鉄を使って農機具,南部鉄びんなどの製造が行われた。多くの銅屋が存在し,市も開かれた。米作を主とする農業が主産業であるが,冷害を受けやすい地域であるため近年はタバコ,ホップの栽培,畜産などに力を入れ複合経営を推進している。また近年は八戸,二戸,久慈の各市への通勤者が増加しており,専業農家は減少している。八戸自動車道のインターチェンジがある。毎年9月に行われる八幡宮大祭は豪華な山車で知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報