精選版 日本国語大辞典 「跳返」の意味・読み・例文・類語
はね‐かえ・る ‥かへる【跳返】
〘自ラ五(四)〙
② 勢いよくとびはねる。はね上がる。跳躍する。
※太平記(14C後)三七「左へ回右へ曲り抛(ハネ)返ては上りたる在様」
③ 物にあたって、はねてもどってくる。はじかれてかえってくる。反撥する。
④ ある事を行なった影響がもとへもどってくる。
※太平策(1719‐22)「手にとらへて作り直さんとするは、つよく抑(をさゆ)るほど、先にてはねかへることを知らず」
はね‐かえ・す ‥かへす【跳返】
〘他サ五(四)〙
① はねてひっくりかえす。押えられていたのをもとへもどす。
※源平盛衰記(14C前)三七「駻返(ハネカヘサン)々々としけれ共、三位力増也ければ、抑て更に働さす」
※苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉五「明後日あたりこの相場がきっと跳ねかへすので」
② ぶつかって来るものをもとの所へはじき返す。反射させる。反撃する。
③ 水・泥の表面をたたいて水・泥が勢いよくとび散るようにする。
④ 忠告や申し出などを、がんとして受けつけない。相手につき返す。はねつける。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「『否(いや)な』と苦々しく刎(ハ)ね返せば」
はね‐かえり ‥かへり【跳返】
〘名〙
① はねてもとへもどってくること。また、そのもの。反動。
③ かるはずみな言動をすること。軽率であること。はねあがり。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉代議士「跳返(ハネカヘ)りの彌次馬が面白半分に飛出し」
④ おてんば。おきゃんな娘。はねあがり。
※雑俳・塵手水(1822)「隠されぬ医者が星さす刎かへり」
はねっ‐かえ・る ‥かへる【跳返】
〘自ラ五(四)〙 「はねかえる(跳返)」の変化した語。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉天下太平なる哉「大風呂敷を広げる術さへ上手になって跳返(ハネッカヘ)れば先づ政治家は天下太平」
はねっ‐かえり ‥かへり【跳返】
〘名〙 「はねかえり(跳返)」の変化した語。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三「はねっかへりを活溌だと思ったり」
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