超健康人(読み)ちょうけんこうじん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「超健康人」の意味・わかりやすい解説

超健康人
ちょうけんこうじん

健康診断において予防医学観点からもっとも理想的な検査結果を得た人。日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、健康診断の新たな基準範囲を作成するために選び出したサンプル名称である。2014年(平成26)に発表された基準案の策定にあたっては、健康状態にあり、身体に異常のない人の検査値から基準を導き出すため、2011年に全国の人間ドック200施設で検査した約150万人のなかから、(1)高血圧糖尿病などの治療のための薬を常用していない、(2)癌(がん)などの重大な病気既往歴がない、(3)喫煙していない、(4)1日の飲酒量が日本酒で1合未満である、などの条件を満たす約34万人が抽出された。さらに、このなかから、約7分の1の集団を無作為に取り出し、この集団について、他の検査項目で潜在病態を示すサンプルを除外することを繰り返し、残ったサンプルの人々が超健康人約1万~1万5000人である。

 超健康人の検査値をもとにした新たな基準案で示されているのは、血圧血糖値肥満の度合いを示すBMI中性脂肪LDLコレステロールHDLコレステロール、肝機能指標のγ(ガンマ)-GTPなどの27項目である。これらのうち、血圧、血糖値、コレステロール値、肥満度に関しては、高血圧学会や糖尿病学会などの専門学会が示す値を基に設定された従来の人間ドックの基準値と、大幅に異なる値になっている。なお、この基準範囲は、5~10年間にわたって追跡調査が行われ、見直される可能性がある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例