精選版 日本国語大辞典 「詣来」の意味・読み・例文・類語
もうで‐・く まうで‥【詣来】
〘自カ変〙 (「まいでく(参出来)」の変化した語)
① 貴所や貴人のもとへやって来る。参上して来る。
② (「来る」の動作主を卑しめ低める意識から、自己側の者の「来る」をへりくだる気持をこめていう、中古以降の用法) 主として、かしこまった気持での対話や消息(勅撰集などの詞書を含む)に用い、「来る」「やって来る」の意を、改まり丁重にいう。やってまいります。⇔まかる(一)②。
※竹取(9C末‐10C初)「此十五日になん月の都よりかぐや姫の迎へにまうてくなる」
(ロ) 一般的に「来る」の意をへりくだり丁重にいう場合に用いたもの。
※古今(905‐914)春下・七八・詞書「あひしれりける人のまうできて、かへりにけるのちに」
(ハ) 特に、「出でもうでく」の形で「この世に出てくる」「生まれてくる」を丁重にいう。→いでもうでく
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