言放(読み)いいばなし

精選版 日本国語大辞典 「言放」の意味・読み・例文・類語

いい‐ばなし いひ‥【言放】

〘名〙 (「いいぱなし」とも)
自分の言いたいことだけ言って、他人反応を気にかけないこと。言い捨て。いいっぱなし。
歌舞伎お染久松色読販(1813)序幕「さっきの旦那は、嫁菜を買ふと言(イ)ひ放(バナ)しに、どこへござったやら」
② 言うだけでそれを実際に行なわないこと。いいっぱなし。

いい‐はな・つ いひ‥【言放】

〘他タ五(四)〙 心に思うことを遠慮なく口に出して言う。きっぱりと言う。言い放す。
源氏(1001‐14頃)夕霧「いと心強う、あるまじきさまに、いひはなち給しかど」
徒然草(1331頃)一四一「人のいふほどの事けやけく否(いな)びかたくて、万(よろづ)えいひはなたず心弱くことうけしつ」

いい‐さ・く いひ‥【言放】

〘他カ下二〙 悪口を言って、仲たがいさせる。不和になるような悪口を言う。中傷讒言(ざんげん)をする。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇「折交し人の知音の中を云いさけ、親しき間をはなれしむるを云」

いい‐はな・す いひ‥【言放】

〘他サ五(四)〙 =いいはなつ(言放)
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「ケンモホロロニ iyfanaite(イイハナイテ)

いいっ‐ぱなし いひっ‥【言放】

※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉四四「又伺ひませうと云ひっぱなしに其儘惣五は帰りしが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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