言回・言廻(読み)いいまわす

精選版 日本国語大辞典 「言回・言廻」の意味・読み・例文・類語

いい‐まわ・す いひまはす【言回・言廻】

〘他サ五(四)〙
① うまく言い表わす。ことばを巧みに使う。うまく言って処理する。
源氏(1001‐14頃)帚木消息文にもかんなといふもの書きまぜず、むべむべしくいひまはし侍るに」
浄瑠璃関取千両幟(1767)二「そっちの身請(みうけ)をじゃみる様に言廻してたもるまいか」
② 話してまわる。ふれまわす。言い広める。
※宇治拾遺(1221頃)三「同類どもに、かかる所こそあれといひまはして」
③ 遠まわしに言う。婉曲(えんきょく)に言う。〔日葡辞書(1603‐04)〕

いい‐まわし いひまはし【言回・言廻】

〘名〙 言い表わし方。口のきき方。言いよう。特に、技巧を凝らした言い方をいう。
浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)五「夫婦中垣いひ廻しのよい女房」
人情本春色辰巳園(1833‐35)三「心の中(うち)では、仇吉もにくくはなけれど、また米八が言(イヒ)まはしを聞(きい)て見れば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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