親族扶養(読み)しんぞくふよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「親族扶養」の意味・わかりやすい解説

親族扶養
しんぞくふよう

生活に窮乏している者があるとき、一定の近親者がその生活を保障する法律上の制度民法では、直系血族および兄弟姉妹は当然扶養義務を負い、3親等内の親族相互間では家庭裁判所が特別の事情のある場合に扶養義務を発生させることができる(民法877条)。だれが、どの程度、どんな方法で扶養するかは協議で決めるが、協議が調わないときは家庭裁判所で決める。生活困窮者に対する保護には生活保護法などによる公的扶助の制度もあるが、親族扶養は生活保護法による保護に優先して適用される(生活保護法4条2項)。親が未成熟の子を養い、夫婦が相互に助け合うのも扶養であるが、これは親族扶養には含まれないと解されている。

[高橋康之・野澤正充]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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