見遣(読み)みやる

精選版 日本国語大辞典 「見遣」の意味・読み・例文・類語

み‐や・る【見遣】

〘他ラ五(四)〙
① 遠くを望み見る。視線を遠くはなれた方に向ける。ながめる。
※石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「極望(ミヤレ)ば、眇然として既に火遙かなるを見つ」
② 視線をその方向へ転じ向ける。
※枕(10C終)八「かしらをもたげて見やりて、いみじうわらふ」
③ 全部終わりまで見る。見終わる。
紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月一七日「御櫛の筥のうちの具ども、いひつくし見やらむ方もなし」

み‐やり【見遣】

〘名〙 見渡すこと。また、はるかに見渡される所。みわたし。
蜻蛉(974頃)中「なみかけのみやりにたてる小松原こころをよすることぞあるらし」

み‐おこ・す【見遣】

〘他サ下二〙 離れた所からこちらの方を見る。視線をこちらへ向ける。
※竹取(9C末‐10C初)「月の出たらむ夜は、みをこせ給へ」

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