視線(読み)しせん

精選版 日本国語大辞典 「視線」の意味・読み・例文・類語

し‐せん【視線】

〘名〙 (Gezichetslijn の訳語)
眼球中心点と外界の見られる対象とを結ぶ直線視軸。〔新精眼科全書(1867)〕
② 目がものを見ている方向。見つめている方向。
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎二三「常に店頭主人の探奇なる視線(シセン)を免かれざる者」
※海と毒薬(1957)〈遠藤周作〉一「彼は眼をしばたたきながら私を眺めたがすぐ視線をそらした」
透視画法で、視点と物体の各点とを結ぶ直線。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉例言「採影の真を写すは、視線延長し、遠近を差するを免れず、看るもの幸に注意して可なり」
[語誌]医学用語では当初「視軸」が一般的であった。しかし、明治中期から、②の意味で小説に盛んに登場するようになり、明治後期にかけて一般語として定着した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「視線」の意味・読み・例文・類語

し‐せん【視線】

目の向き。目で見ている方向。「視線が合う」「視線をそらす」
目の中心と、見ている対象とを結ぶ線。視軸しじく
他人を、また、他人が見る目付き。ある気持ちの表れた目付き。「世間視線が気になる」「気の毒そうな視線
[類語]目線

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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