西賀茂瓦窯跡群(読み)にしがもがようせきぐん

日本歴史地名大系 「西賀茂瓦窯跡群」の解説

西賀茂瓦窯跡群
にしがもがようせきぐん

かにさか町からやままえ町にかけて、南北約一・八キロほどの間にある多数の瓦窯跡。

出土瓦は平安宮や平安京内からの出土瓦と同様で、官に関連した刻印をもつ瓦があり、官窯と考えられる。また「延喜式」木工寮車載の項にいう「栗栖野瓦屋」の一部と推定されるが、これは岩倉盆地内の幡枝はたえだ(現左京区)中心に存在する栗栖野くるすの瓦窯跡群と、西賀茂瓦窯跡群を併せて「栗栖野瓦屋」とみるものである。しかしこの両地区は上賀茂の丘陵地帯と鴨川に隔てられ、直線距離でも二キロ以上離れている。

窯跡群は最も北に上庄田かみしようだ瓦窯跡、南へ西賀茂醍醐だいごの森・今原いまはら町・鎮守庵ちんじゆあんの各瓦窯跡があり、角社すみやしろ瓦窯跡群と大宮河上おおみやかわかみ窯跡が最も南に並ぶ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報