複(漢字)

普及版 字通 「複(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] フク
[字訓] あわせ・かさねる・わたいれ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ふく)。は量器を反覆する形で、重複の意がある。〔説文〕八上に「重ね衣なり」(段注本)、また「一に曰く、衣(ちよい)なり」とあって、綿入れをいう。衣に限らず、すべて二重にしたものを、複壁複道複姓のようにいう。

[訓義]
1. あわせ、かさね、二重。
2. わたいれ、うすわた。
3. あわせる、かさねる、いりくむ、おおう。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕複 絮衣(じよい)なり。和太己呂毛(わたころも) 〔名義抄〕複 ウスワタ・カサヌ・カル・ヌグ・ヘダツ・カヘサフ

[語系]
複・腹・piukは同声。みな大腹のものをいう。phiuk、復・biukも声義の近い語である。

[熟語]
複衣複意複垣複屋複閣複関複衾複穴複語複襦・複姓・複複重・複道・複・複壁複名複嶺
[下接語]
単複・重複・繁複

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報