行触(読み)ゆきふる

精選版 日本国語大辞典 「行触」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐ふ・る【行触】

〘自ラ下二〙
① 行ってそれにさわる。行こうとして触れる。
万葉(8C後)八・一五三二「草枕旅行く人も徃触(ゆきふれ)ばにほひぬべくも咲ける萩かも」
② 行ってけがれに触れる。行き合ってけがれに染まる。

ゆき‐ぶれ【行触】

〘名〙
① 行ってそれにさわること。
② 行ってけがれに触れること。外出などしてけがれに出あい自分もけがれること。いきぶれ。
八幡愚童訓(乙)(1301‐04頃)下「内心は清浄正直なれ共、外相にゆきふれの汚」

いき‐ぶれ【行触】

〘名〙 けがれに行き合って自分もけがれること。踏合(ふみあわせ)
源氏(1001‐14頃)夕顔「いかなるいきぶれにかからせ給ふぞや」

ゆき‐ぶり【行触】

〘名〙 行って触れること。途中で行き合うこと。ゆきずり。道ゆきぶり
※亜槐集(1492‐1523頃)二「行ふりに聞ば松てふ虫ぞ鳴とふべかりける草の原かな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android