行立(読み)いきたつ

精選版 日本国語大辞典 「行立」の意味・読み・例文・類語

いき‐た・つ【行立】

〘自タ四〙
① 行こうとして立つ。出発する。ゆき立つ。
書紀(720)天武元年六月(寛文版訓)「仍て国司等に経(ふ)れて諸の軍を差し発して、急に不破の道を塞(ふせ)げ。朕今、発路(イキタタ)む」
物事が進行して成り立つ。また、暮しが立ち行く。ゆきたつ。〔語彙(1871‐84)〕

ゆき‐た・つ【行立】

〘自タ四〙
① 出で立つ。出発する。いきたつ。
② 成り立つ。できあがる。いきたつ。
生活手段が立つ。暮らしが立ち行く。いきたつ。
※歌舞伎・黒手組曲輪達引(1858)発端団子に芋の田楽ぐらゐ売った所が僅かの銭、所詮あれでは行(ユ)き立つまい」

ゆく‐たて【行立】

〘名〙 事のなりゆき。いきさつ。
※歌舞伎・東海道四谷怪談(岩波文庫所収)(1825)四幕「其身の行立(ユクタテ)まで、一分一天くもりなき、義士をゑらんで四十七人」
露芝(1921)〈久保田万太郎〉八「話の経緯(ユクタテ)からいって」

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