行心(読み)ぎょうしん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「行心」の解説

行心 ぎょうしん

?-? 新羅(しらぎ)(朝鮮)の僧。
隆観の父。天文卜筮(ぼくぜい)に通じ,大津皇子骨相をみて謀反(むほん)をすすめる。朱鳥元年(686)皇子の謀反は発覚して行心も逮捕されるが,持統天皇助命により飛騨(ひだ)(岐阜県)の寺へ流された。本姓は金(こん)。法名は「こうじん」ともよみ,幸甚(こうじん)ともかく。

行心 こうじん

ぎょうしん

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の行心の言及

【大津皇子】より

…また性すこぶる豪放で法度に拘泥せず,しかも謙虚に士を遇したので衆望をあつめたとも伝える。その謀反事件は新羅の僧行心(こうじん)の教唆から企てられ,川島皇子の密告で発覚したという(《懐風藻》)が,逮捕から処刑までの迅速さや大津以外の関係者がほとんど罪をえていない点などにより,事件が皇太子草壁とその母后鸕野(うの)皇女(持統天皇)側の策謀かともみられている。ただ気骨,力量人にすぐれたこの皇子に王位への野心がまったくなかったとするのも当を失する。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」