行合・行逢(読み)ゆきあう

精選版 日本国語大辞典 「行合・行逢」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐あ・う ‥あふ【行合・行逢】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 行って偶然に出あう。でくわす。ふと出あう。また、たまたまめぐりあう。いきあう。
万葉(8C後)一二・二九四六「玉桙の道に行相(ゆきあひ)てよそ目にも見れば良き児を何時とか待たむ」
源氏(1001‐14頃)明石「都の人も御供の人も、夢の心地してゆきあひ」
② 互いに出あう。交差する。重なる。
曾丹集(11C初か)「かささぎのゆきあはぬつまのほどさむみあかでわかれしなかぞこひしき」
③ 互いにしっくりと相合う。合致する。
愚管抄(1220)三「この仏法のかた王法のかたの二道の道理のかくひしとゆきあひぬれば」
[2] 〘他ハ下二〙 行き合わせる。交差させる。
古事記(712)下・歌謡「ももしきの 大宮人鶉鳥 領巾取り掛けて 鶺鴒 尾由岐阿閇(ユキアヘ)

いき‐あ・う ‥あふ【行合・行逢】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 二人以上の人が行って出合う。出くわす。ゆきあう。
伊勢物語(10C前)六三「狩しありきけるにいきあひて」
② ぶつかりあう。衝突する。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)四「したれば、中で矢さきどうしいきやうては落々するぞ」

いき‐あい ‥あひ【行合・行逢】

〘名〙 出合うこと。行き合うこと。ゆき合い。
堤中納言(11C中‐13C頃)よしなしごと「白(しら)山と立(たち)山とのいきあひの谷にまれ、又愛宕比叡の山との中あひにもあれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報