蛍狩(読み)ホタルガリ

デジタル大辞泉 「蛍狩」の意味・読み・例文・類語

ほたる‐がり【蛍狩(り)】

夏の夕べ水辺などでを追って捕らえる遊び。 夏》提灯を借りて帰りぬ―/虚子

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精選版 日本国語大辞典 「蛍狩」の意味・読み・例文・類語

ほたる‐がり【蛍狩】

〘名〙 夏の夜、水辺などに光る蛍を捕えて遊ぶこと。ほたるおい。《季・夏》
浮世草子・好色産毛(1695頃)三「上鴨の蛍狩(ホタルガリ)、宇治瀬田は更也、北野平野に勝て、市原二の瀬の柴口鼻(しばかか)が帰る夜道をかがやかし」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蛍狩」の意味・わかりやすい解説

蛍狩
ほたるがり

夏の夜の涼みがてらに、ホタルをとらえる遊び。いつごろからこの名称がつけられたかは明らかでない。ホタルの名所としては古来滋賀県石山寺が有名で、宇治川のホタルと並び称せられ、関東では埼玉県大宮公園が知られていた。童唄(わらべうた)に、「ほー ほー 蛍来い あっちの水は苦いぞ こっちの水は甘いぞ」というのがあるが、これは全国各地に少しずつ異なった形で伝承されており、いずれもホタルに「来い」と呼びかける蛍狩の歌である。この歌の伝承の分布の広いことによっても、全国的にホタルが生息し、蛍狩が夏の夜の風物詩であったことが知られる。

高野 修]


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