蚕(漢字)

普及版 字通 「蚕(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
24画

[字音] サン
[字訓] かいこ

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 形声
旧字はに作り、(さん)声。〔説文〕十三下に「絲を任(は)く蟲なり」(段注本)とあり、〔玉〕に「絲を吐くなり」とする。卜文に、桑の葉の上に蚕形の虫を加えている字があり、また「示」を祀ることをしるすものもあって、すでに養蚕が行われていた。は象形的にかかれているので、その字形によって当時の品種を定めることもできるという。〔礼記、祭義〕に王后親蚕の儀礼がしるされており、また〔後漢書、礼儀志上〕には、「先」を小牢を以て祀ることがみえる。絹は中国の特産として輸出され、のち陶器とともに、西方への交易路を開いた。いま常用字として用いる蚕は、もと、みみずをいう字である。

[訓義]
1. かいこ、こ。
2. かいこを飼う。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 久礼乃弥々受(くれのみみず) 〔和名抄 加比古(かひこ)、一に、古賀比須(こかひす)と訓む 〔名義抄〕 カヒコ・コガヒス

[熟語]
蚕衣・蚕屋・蚕家蚕蛾・蚕官・蚕忌・蚕蟻・蚕漁・蚕禁・蚕月蚕繭・蚕姑・蚕工・蚕沙・蚕・蚕市・蚕子・蚕矢蚕糸・蚕紙蚕滓・蚕事・蚕児・蚕室・蚕種・蚕女蚕妾蚕食・蚕織蚕穡・蚕・蚕神蚕蛻蚕績蚕叢・蚕桑・蚕・蚕・蚕豆・蚕・蚕箔・蚕簿・蚕婦・蚕母蚕忙・蚕房・蚕眠・蚕命・蚕綿蚕蛹・蚕卵・蚕連
[下接語]
蚕・夏蚕・勧蚕・玉蚕・金蚕・繭蚕・原蚕・耕蚕・再蚕・柞蚕・秋蚕・春蚕・助蚕・神蚕・新蚕・親蚕・績蚕・先蚕・桑蚕・掃蚕・蚕・天蚕・田蚕・農蚕・晩蚕・野蚕・養蚕・老蚕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報