藤垈村(読み)ふじぬたむら

日本歴史地名大系 「藤垈村」の解説

藤垈村
ふじぬたむら

[現在地名]境川村藤垈

名所みようしよ山などを水源とする境川の流域に位置する。御坂みさか山地支脈の滝戸たきど山などの山麓と丘陵部からなり、北はぼうみね新田および白井河原しらいがわら(現中道町)、南は尾根を挟んで心経寺しんぎようじ(現同上)小村はらがある(甲斐国志)。坊ヶ峰新田はもと村内で原は同所の西裾にあたる。永禄四年(一五六一)の番帳に二三番「ふちぬ田之禰宜」とみえ、勤番社は当地諏訪神社、また同番の「あか立の禰き」は赤立明神にあたると考えられる。天正一〇年(一五八二)八月九日、長坂右近助に本領であると言上した信州瀬場三七貫文の改替として藤垈のうち二〇貫文の地などが安堵され(「徳川家印判状写」大泉叢誌)、同月二五日には本領であると言上した「藤ぬた」のうち一〇貫の地などが内藤七左衛門に安堵されている(徳川家印判状写「古文書雑集」若尾資料)。また原は同一一年六月二日の徳川家康印判状写(記録御用所本古文書)に「藤垈原之郷」とみえ、駿信改替として地内の定納四六貫六六〇文の地が宛行われている。

天正二〇年の山帳写(春田正長家文書)によると当村の山林年貢高計六貫六〇六文、高一九石余・取り分九石余、ほかに入山荒れ一七石余・年貢高八石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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