薇・紫萁・狗脊(読み)ぜんまい

精選版 日本国語大辞典 「薇・紫萁・狗脊」の意味・読み・例文・類語

ぜんまい【薇・紫萁・狗脊】

〘名〙 シダ類ゼンマイ科の夏緑性多年草。各地の山地原野に生える。高さ〇・六~一メートル。茎は地中をはう巨大な根茎となり多数の葉を叢生する。若芽発条(ぜんまい)状に巻き、褐色または淡褐色綿毛におおわれ、葉には栄養葉と胞子葉の二型がある。栄養葉は三角状広卵形で二回羽状複葉となり、各小羽片は長さ五センチメートル位の披針形で縁には細かな鋸歯(きょし)がある。胞子葉は早春、栄養葉より先に出て、同様に二回羽状に全裂し、小羽片は線形胞子嚢(ほうしのう)群だけからなり褐色。ワラビと同様に若芽を食用とする。漢名は紫萁で、薇を慣用的に用いるが、これは正しくはスズメノエンドウの漢名。《季・春》 〔文明本節用集(室町中)〕 〔大和本草(1709)〕
[補注]→「ぜんまい(発条)」の補注

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