茄子科・茄科(読み)なすか

精選版 日本国語大辞典 「茄子科・茄科」の意味・読み・例文・類語

なす‐か ‥クヮ【茄子科・茄科】

〘名〙 双子葉植物の科名。約九〇属二〇〇〇余種が知られているが、今後の研究によってさらに増えると考えられている群で、熱帯および温帯に広く分布する。特に、中米から南米にかけて、特産の属が四〇も知られており、アジアとヨーロッパにはナス属やチョウセンアサガオ属など少数のものしか自生しない。草本、低木または小型の高木で、花がつかない部分の枝につく葉は互生し、花序の部分では互生かまたは花序と対生する。花は単生するかまたは集散花序に咲き両性、左右相称のものが多い。萼(がく)は五裂し宿存性。五裂する花冠は種々の形を示し、まれに、二裂片は舌状で多少巻き上がっているか、そり返っている。雄蕊(おしべ)は五で、左右相称の花になるものでは花弁と互生した位置に着く。花粉は葯(やく)の先端の穴から放出される。子房は上位で二室、各室に一~多数の胚珠がある。果実は液果または蒴果。日本ではハシリドコロヤマホオズキヒヨドリジョウゴなどが山野に自生するほか、ジャガイモ、ナス、トマト、トウガラシ、タバコなどを栽培。なすび科。

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