苦海(読み)クカイ

デジタル大辞泉 「苦海」の意味・読み・例文・類語

く‐かい【苦海】

《「くがい」とも》仏語。苦しみの絶えないこの世を海にたとえていう語。苦界くがい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苦海」の意味・読み・例文・類語

く‐かい【苦海】

〘名〙 (「くがい」とも) 仏語。この世の苦しみの際限なく大きいことを海にたとえた語。苦界
万葉(8C後)五・七九四右詩「愛河波浪已先滅、苦海煩悩亦無結、従来厭離此穢土、本願託生彼浄刹
盲安杖(1619)二「仏神は広大の慈悲をもって、〈略〉苦海に沈む衆生をあはれみたまひ」 〔大乗理趣六波羅蜜多経‐序〕

くるしき【苦】 海(うみ)

(「苦海(くかい)」の訓読み) 仏語。苦しみのはてしないこの世を、広い海にたとえたもの。苦しみの海。
金葉(1124‐27)雑下・六三九「阿彌陀仏と唱ふる声を梶にてや苦しき海を漕ぎ離るらん源俊頼〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「苦海」の意味・わかりやすい解説

苦海
くかい

仏教用語。大海のはてしないように,はてしない苦につきまとわれ,さいなまれている世界のこと。輪廻転生を繰返す六道の世界を海にたとえていう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の苦海の言及

【苦界】より

…仏教語。すべての衆生の苦しみが無限であることを海にたとえて苦海(くかい)という。例,〈我,諸ノ衆生ヲ見ルニ,苦海ニ没在セリ〉(《法華経》寿量品)。…

※「苦海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android