舞狂言（読み）マイキョウゲン

デジタル大辞泉

まい‐きょうげん〔まひキヤウゲン〕【舞狂言】

狂言で、夢幻能の形式を模し、亡霊の舞を1曲の中心とするもの。「楽阿弥」「通円」「祐善」など。仕舞狂言。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

まい‐きょうげん まひキャウゲン【舞狂言】

〘名〙 能狂言の分類の一つ。本来ことばのやりとりを中心とする狂言にあって、夢幻能に似た内容と形式を持つ特殊な狂言。後段のシテの舞が一曲の中心となっているのでこの名称がある。

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

舞狂言
まいきょうげん

狂言の分類の一つ。研究者の命名で，流派の名寄 (なよせ。目録) では出家物や鬼・山伏狂言に分類している。仕舞狂言ともいう。能の複式夢幻能に準じた形で，旅僧 (ワキ) が旧跡に通りかかると，亡霊 (前ジテ) が現れて供養を頼む。所の者 (アイ) にいわれを聞いて回向をすると，再び亡霊 (後ジテ) が現れて，地謡と囃子によって最後の様子を舞う。後段のシテの舞が曲の中心となっているところからこの名がある。大蔵流には『祐善』『楽阿弥』『通円』『蛸』『塗師』の5番，和泉流にはさらに『双六』『蝉』『野老』の3番を加えた8番がある。

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