いっ‐きょく【一曲】
〘名〙
※和漢朗詠(1018頃)上「郷涙数行征戍の客、棹歌一曲釣漁の翁〈
慶滋保胤〉」 〔
嵆康‐与山巨源絶交書〕
③
雅楽の
雑舞の一つ。諸寺勅会法事のときなどに、
行列の道行に舞うもの。楽には
鳥向楽(ちょうこうらく)や慶雲楽
(きょううんらく)を用い、二人で舞う。
※教言卿記‐応永一三年(1406)六月一一日「唐人参二北山殿一云々、如二先規一伶人等一曲云々」
ひと‐くねり【一曲】
〘名〙
② ちょっとすねること。
※
一言芳談(1297‐1350頃)上「
世間を一くねりうらみたる色にて」
ひと‐まがり【一曲】
〘名〙 一度曲がること。〔いろは字(1559)〕
※流人島にて(1953)〈
武田泰淳〉「路は、〈略〉一曲りすると
一直線に、島の
中腹めがけて」
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デジタル大辞泉
「一曲」の意味・読み・例文・類語
いっ‐きょく【一曲】
1 音楽のまとまった作品一つ。または、音楽や舞踊のひとくぎり。
2 雅楽の舞曲。雑楽。寺の行事などの行列の道行きに、左右各一人の舞人が、特殊な鼓を打ち鳴らしながら舞う。
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普及版 字通
「一曲」の読み・字形・画数・意味
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一曲
いっきょく
舞楽の曲名。『一鼓 (いっこ) 』とともに「雑楽」などともいわれる特殊な曲で,舞人は左方の装束を着けて胸に奚婁鼓 (けいろうこ) を吊り,左手に振鼓 (ふりつづみ) を持った者と,右方の装束を着けて胸に一鼓を着けた者の2人で,いずれも右手に桴 (ばち) を持つ。現在では,前奏曲として盤渉 (ばんしき) 調調子および音取 (ねとり) が奏され,当曲 (伴奏曲) としては「鳥向楽 (ちょうこうらく) 」が用いられる。桴を振上げて鼓を打つ手がそのまま舞の手ともなっているが,舞は左方の装束の者だけで,右方の装束の者は単に一鼓を打つだけである。法会舞楽では,行道 (ぎょうどう) に続けて両楽頭が舞う。
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