腹合（読み）はらあわせ

精選版 日本国語大辞典

はら‐あわせ ‥あはせ【腹合】

〘名〙

① 向かいあうこと。対座。

※舗道雑記帖（1933）〈高田保〉ヨーヨー時代「餠のやうにくった木片を二つ腹合せにして、間を心棒でついで、それにくるくる糸を巻きつけて」

② 心を合わせること。

③ 抱きあうこと。また、情交を結ぶこと。

※雑俳・笠付類題集（1834）「るすの間に花合せから腹合せ」

④ 九州で、鰯網の漁船員が勢ぞろいして酒盛りをすること。また、青年などが正月の寄り合いで祝宴を張ること。

⑤ 「はらあわせおび（腹合帯）」の略。

※人情本・春色恵の花（1836）二「本国織の腹合せの平ぐけ」

はら‐あい ‥あひ【腹合】

〘名〙

① 胃や腸の調子。腹のぐあい。

※滑稽本・叶福助略縁記（1805）「米の飯ばかりで、腹あいがさっくれ申に、茶飯などをくったらふっくれ申そう」

② 腹づもり。構想。

※殿村篠斎宛馬琴書簡‐文政五年（1822）閏一月一日「何分随筆にとりかかり候ては腹合甚むつかしくなり、戯作ハ一筆も出来不申候」

出典　精選版 日本国語大辞典