家庭医学館 「脳震盪/単純頭部打撲」の解説
のうしんとうたんじゅんとうぶだぼく【脳震盪/単純頭部打撲 Commotion of Brain / Cerebral Contusion】
頭を打った後、意識障害がないか、おこっても数分程度で回復した状態をいいます。
症状がないか、あっても頭痛、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)程度で、頭部CTで頭部を撮影しても異常はみられません。
[症状]
受傷前後のことを思い出せないことがあります(健忘(けんぼう))。
受傷以前のことを思い出せなくなる逆行性健忘(ぎゃっこうせいけんぼう)になることもありますし、受傷してから現在までのことを思い出せなくなる先行性健忘(せんこうせいけんぼう)(順行性健忘(じゅんこうせいけんぼう))になることもあります。
先行性健忘は、外見上は意識がしっかりしているようにみえても、まだ意識が完全にはもどっていなかった証拠です。スポーツ中に頭を打って意識を失い、数分で意識がもどって、またプレーを続けたものの、後で、そのことを覚えていないなど、そのよい例です。
[治療]
症状があれば、一晩程度入院して、点滴しながらようすをみます。
無症状の場合は、帰宅してかまいませんが、少しでもおかしな点に気づいたときには、早めに受診します。どういう異常が出たら受診すべきか、医師や看護師から説明があるはずですから、よく聞いておきましょう。