精選版 日本国語大辞典 「聞出」の意味・読み・例文・類語
きこえ‐い・ず ‥いづ【聞出】
※落窪(10C後)一「女君は、〈略〉おほかたきこえ出ば」
※浜松中納言(11C中)五「今きこえ出給なん。いと跡はかなう思ふべきことにもあらず」
① 胸の内にあることなどを口に出して申しあげる。意中を訴え申しあげる。秘密などを公然とお話しする。歌などを詠んでお耳に入れる。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「きこえいづる人人、事にふれて多かれど、おぼしも定めず」
② 重い口を開いて、返事などを申しあげる。
※落窪(10C後)一「御文侍るめり。御返りきこえいで給へ」
きき‐だ・す【聞出】
〘他サ五(四)〙
① 聞いて秘密などをさぐり出す。
※天草本平家(1592)一「シャメン アラウ トモ qiqi(キキ) dasananda(ダサナンダ) ニ ヨッテ」
② 聞くことをはじめる。聞きはじめる。
③ においをかいでそれと知る。
きき‐いだ・す【聞出】
〘他サ四〙
① 秘密をさぐって聞き知る。さぐり知る。聞きだす。ききいず。
※芸大本平家(13C前)一「おのづから平家の事あしざまに申ものあれば、一人ききいださぬ程こそありけれ」
② 聞きはじめる。聞くことをはじめる。
③ においをかいでそれと知る。
きき‐い・ず ‥いづ【聞出】
〘他ダ下二〙 =ききいだす(聞出)①
※落窪(10C後)三「此の家の券失ひ給へ侍りて、尋ねさせ侍れど、いまだ聞いで侍らず」
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