翦伯賛（読み）せんぱくさん（英語表記）Jiǎn Bó zàn

改訂新版　世界大百科事典

翦伯賛 (せんぱくさん)
Jiǎn Bó zàn
生没年：1898-1968

中国，現代の歴史学者。湖南省桃源の人でウイグル族の出身。アメリカ留学後，国民党の北伐に参加，のち中国共産党に入党し中ソ文化協会理事を務め，《歴史哲学教程》を出版。解放後，北京大学歴史系主任，中国史学会理事などの要職につき，歴史研究の理論的指導者として活躍，《中国史綱》《中国歴史概要》などを著した。史料重視の姿勢と歴史主義的な考え方が文化大革命中に批判され窮死したが，10年後に名誉が回復された。
執筆者：並木 頼寿

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

山川 世界史小辞典 改訂新版

翦伯賛(せんはくさん)
Jian Bozan

1898～1968

中国現代の歴史学者。湖南省桃源の人。ウイグル族。1924年アメリカに留学して経済学を学び，帰国して国民革命に参加。37年共産党に入党し，統一戦線活動に従事しながら，マルクス主義歴史学の研究を行う。とりわけ秦漢史の研究や教科書の執筆で卓越した業績を残した。中華人民共和国成立後，北京大学歴史系主任，中国史学会常任理事などを務めたが，文化大革命で批判にさらされて死んだ。

出典　山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」

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翦伯賛【せんはくさん】

中国の歴史学者。ウイグル族出身。湖南省桃源の生まれ。1926年，北伐軍に参加，政治活動に従事。中華人民共和国成立後は北京大学教授。副校長兼共産党委員となる。「歴史を変えるために歴史を創造する」と提唱，1962年に刊行が始った《中国史綱要》（1978年初版完成）で初期の編集責任者を務めるなど，建国後の中国歴史学を主導し，人文学界に大きな影響を与えたが，文革で江青らに批判された。《中国史綱要》は，現在でも多くの大学で中国通史の教科書として採用されている。

出典　株式会社平凡社