習・慣・倣(読み)ならい

精選版 日本国語大辞典 「習・慣・倣」の意味・読み・例文・類語

ならい ならひ【習・慣・倣】

〘名〙 (動詞「ならう(習)」の連用形の名詞化)
① なれること。しきたりとなっていること。習慣。
源氏(1001‐14頃)夕霧「例も、あつしうのみ聞き侍りつるならひに、うちたゆみてなむ」
② 世の常。世間の道理。また、あたりまえであること。きまりきっていること。
方丈記(1212)「朝に死に、夕に生るるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける」
③ 学ぶこと。学習。練習。
今昔(1120頃か)四「未だ習ひ薄き人也。速に堂の外に出よ」
④ 事をなしとげる秘訣。また、秘事などを口授(くじゅ)されて学ぶこと。口伝(くでん)
※虎寛本狂言・鎧(室町末‐近世初)「扨跡の、秘すべし秘すべし口伝に在り、とはいか様な事じゃ。是にも習が御ざる」
⑤ 古くからの言い伝え。由緒
徒然草(1331頃)二三六「この御社の獅子の立てられやう、定めてならひあることに侍らん」
⑥ 生活。くらしむき。
たまきはる(1219)「なりきよげに、ならひよくて、わがまゐりたきをり参りて、あそびたきをりあそびて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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