美作(市)(読み)みまさか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美作(市)」の意味・わかりやすい解説

美作(市)
みまさか

岡山県の北東部にある市。東は兵庫県、北は鳥取県と接する。2005年(平成17)勝田(かつた)郡の勝田町と、英田(あいだ)郡の大原美作作東(さくとう)、英田の4町および東粟倉村(ひがしあわくらそん)が合併して市制施行。北部は中国山地で、後山(うしろやま)(1344メートル)は岡山県の最高峰である。市域には、吉野川、梶並(かじなみ)川、後山川など吉井川水系の多くの川が流れている。北東部を智頭(ちず)急行と国道373号が走り、中央をJR姫新(きしん)線、国道179号、中国自動車道が横断し、作東、美作インターチェンジがある。そのほか、鳥取自動車道大原インターチェンジ、美作岡山道路湯郷(ゆのごう)温泉インターチェンジがあり、国道374号、429号が通じる。

 旧美作町のあった美作地域には、市役所、美作県民局勝英(しょうえい)地域事務所など市の中枢施設がある。勝田地域は、中世には北半が梶並荘(しょう)、南半が小吉野荘となっていた。大原地域の中心集落である古町因幡(いなば)往来宿場町として繁栄した。また一帯は古代美作国英多郡大原郷(おおはらのごう)、中世は大原保(おおはらのほ)であった。旧讃甘(さのも)村宮本は宮本武蔵(むさし)の生誕地といわれ、武蔵資料館など関連施設がつくられている。北東部の東粟倉地域には修験道(しゅげんどう)の霊山として知られる後山があり、氷ノ山(ひょうせん)後山那岐山(なぎさん)国定公園に含まれている。作東地域の中心集落の江見は旧出雲(いずも)往来の宿場町として栄えた。

 主産業は農林業で、米作のほか、野菜や茶栽培、畜産など多様な生産を展開している。また、高速道路などの交通網を生かして、土居工業団地や作東産業団地などがつくられている。

 長福寺三重塔は県最古の建造物であり、国の重要文化財に指定されている。そのほか、美作三湯の一つである湯郷温泉、自然体験施設「トム・ソーヤー冒険村」、ベルピール自然公園、バレンタインパーク作東、岡山国際サーキットなどの施設がある。面積は429.29平方キロメートル、人口2万5939(2020)。

[編集部]


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