置所（読み）オキドコロ

デジタル大辞泉

おき‐どころ【置（き）所】

１ 物を置くべき所。置き場所。置き場。「家具の置き所に困る」
２ 心や身体の落ち着ける所。多く、「身の置き所が（も）ない」の形で用い、どうしようもない気持ちでいることを表す。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

おき‐どころ【置所】

〘名〙

① 物や体を置くべき場所。また、物の置いてある場所。置き場所。おきどこ。

※古今（905‐914）恋四・七三六「頼め来し言の葉今は返してむ我が身ふるればをき所なし〈因香〉」

② 心や身を平静にする手段。気持を落ちつける方法。多く下に「なし」を伴って、ありがたさ、うれしさ、悲しさ、恥ずかしさ、心配などのためにどうしようもない気持を表わす場合に用いられる。

※一条摂政集（961‐992頃）「つゆよりもいかなるみとかなりぬらんおきどころなきけさの心地は」

③ 中心とすべき点。また、心が向かうべき点。

※人情本・春色梅美婦禰（1841‐42頃）三「程々に仕てあいしらってお置なはるのと、又そこへ恍惚込(のろけこむ)のとは気の置所(オキドコロ)ひとつでありますぜ」

出典　精選版 日本国語大辞典