普及版 字通 「縵(漢字)」の読み・字形・画数・意味
縵
17画
[字訓] ゆるい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は曼(まん)。曼に、平らかで広いものの意がある。〔説文〕十三上に「(きぬ)の(あや)無きものなり」とし、「衣を賜ふは、縵表白裏」と漢律の文を引く。生地の粗い、文様のない布帛である。うねを作らぬ田を縵田といい、〔荘子、斉物論〕にゆるやかな風を「縵なる」と形容する。のっぺりとしたもの、ゆるやかなさまの意がある。
[訓義]
1. あやのないきぬ、あやのないもの。
2. ゆるい、ゆるやか。
3. 幕と通じ、まく、幔幕。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕縵 阿也奈支太太奴(あやなきただきぬ)なり 〔名義抄〕縵 アミ 〔字鏡集〕縵 アミ・ユルナリ・オホキナルモン
[語系]
縵・慢meanは同声。幔muanは声が近い。ひろくゆるやかな帛(きれ)の類を縵・幔といい、緊切を欠く状態を慢という。
[熟語]
縵纓▶・縵楽▶・縵胡▶・縵▶・縵田▶・縵帛▶・縵布▶・縵縵▶・縵密▶・縵立▶
[下接語]
衣縵・夏縵・乗縵
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報