綾取(読み)あやとり

精選版 日本国語大辞典 「綾取」の意味・読み・例文・類語

あや‐とり【綾取】

〘名〙
遊戯の一種。輪にした糸を両手首や指先にかけて、橋、琴、鼓、川などの形を作りながら互いにやりとりする女児の遊戯。糸取り。あや。
※俳諧・廿日月(1801)「女等があやとり習ふ唐にしき〈東烏〉 すずしきばかり薄けはひして〈松人〉」
② (「あやどり」とも) 近世、竹に綱をつけ、まりなどを投げ上げては受け止める曲芸。また、その芸人。
浄瑠璃・右大将鎌倉実記(1724)三「五尺の身体を曲鞠(きょくまり)の、兵具も空に乱れ散り、あやとりなんどの如くなり」
舞楽で足を斜めに打ち違えるようにすること。
[語誌]①について「浮・好色一代男‐一」には「糸取(いととり)」とあり、「随・守貞漫稿‐一〇」に「江戸にてあやとり、京坂にては糸取」とあるところから、東西で異なる語形を用いていたようである。

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