粘着(読み)ネンチャク

デジタル大辞泉 「粘着」の意味・読み・例文・類語

ねん‐ちゃく【粘着】

[名](スル)ねばりつくこと。「しっかりと粘着する」「粘着テープ」

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精選版 日本国語大辞典 「粘着」の意味・読み・例文・類語

ねえ‐つ・く【粘着】

[1] 〘自カ四〙 =ねばりつく(粘着)〔観智院本名義抄(1241)〕
※古活字本荘子抄(1620頃)一「膠住してねえつくぞ」
[2] 〘自カ下二〙 (一)に同じ。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「粘、ねえつくるぞ」

ねば‐つ・く【粘着】

〘自カ五(四)〙 ねばって物につく。ねばねばする。〔日葡辞書(1603‐04)〕
刺青(1910)〈谷崎潤一郎〉「あのしっとりした、重い冷たい布が粘つくやうに肉体を包む時の心好さを思ふと」

ねばり‐つ・く【粘着】

〘自カ五(四)〙 ねばって物につく。べとべとしてくっつく。粘着する。ねいつく。ねえつく。
※読本・昔話稲妻表紙(1806)四「又誤りて膏薬鍋をふみかへしければ、膏薬足のうらにねばりつきて」

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化学辞典 第2版 「粘着」の解説

粘着
ネンチャク
tacky adhesion

流動性物質が被着体に接触付着することで,同種または異種物体を貼り合わせる場合に,永久的に接着する場合と一時的に接着する場合があり,後者を粘着という.接着では,被着体に接触する際に,流動性をもたせるため,溶解加熱などの手段を必要とするが,粘着は,粘着物質そのものがもともと液体的性質をもっている点が異なる.粘着後,これを引き離そうとするときは,外力に対して粘弾性的抵抗を示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の粘着の言及

【接着】より

…あるいは,固化に時間を十分かけるか,固化後に温度をいったんゆっくり上げてゆっくり下げるなどによって,発生する応力の緩和を図るなどの操作をすることが有効である。
[その他の接着]
 接着剤の固化によらず,粘稠な性質をもっている物質を接着剤の代りに用いて接着を行うこともできるが,このような接着をとくに粘着tackあるいは感圧接着pressure sensitive adhesionと呼ぶことが多い。この場合の接着剤すなわち粘着剤は粘性の大きい液体と考えられ,剝離(はくり)に抵抗する力は粘着剤層が変形流動するときの液体内部の摩擦力すなわち粘弾性的抵抗であると考えられる。…

※「粘着」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」