簀巻(読み)スマキ

デジタル大辞泉 「簀巻」の意味・読み・例文・類語

す‐まき【×簀巻(き)】

で物を巻き包むこと。また、そのもの。
江戸時代私刑の一。からだを簀で包み、水中に投げ込むもの。すのこまき
湖や沼の浅い所に簀垣を設け、魚を捕らえる装置

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精選版 日本国語大辞典 「簀巻」の意味・読み・例文・類語

す‐まき【簀巻】

〘名〙
① 簀で物を巻き包むこと。
※御湯殿上日記‐永祿四年(1561)五月二六日「すけ殿よりあめ、すまきまいる」
② 人を簀に巻き包み、身の自由を奪って水に投げ入れること。特に、江戸時代、刑罰としたもの。座頭(当道)仲間の刑罰、村法上の刑罰、または博奕(ばくち)仲間などの私刑として行なわれた。すのこまき。
※説経節・あいごの若(山本九兵衛板)(1661)六「くもいのつぼねをすまきにし、月さよをからめ取、やがてくるまにのせ、都の内をぞ引にける、後にはいなせがふちにしづめける」
湖沼の浅所に簀垣をつくり、魚を捕える装置。陥穽(かんせい)装置類に属する漁法。主に下流に下る魚を捕えるためのもの。
看聞御記‐応永元年(1394)九月三〇日「巣巻三度雖下、遂魚不入不思議也」

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世界大百科事典(旧版)内の簀巻の言及

【刑罰】より

…なお寺社,当道の仲間等,身分ないし職業団体にはその長に刑罰権が認められたから,団体内の犯罪については独自の刑罰を行った。当道において溺殺の刑である簀巻(すまき)を執行したのはその例である。また町および村は自治的地域団体として軽い刑罰を行ったが,村の村八分はよく知られている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」