筬・筦(読み)おさ

精選版 日本国語大辞典 「筬・筦」の意味・読み・例文・類語

おさ をさ【筬・筦】

〘名〙
機織(はたおり)の付属具の一つ。薄い竹片を櫛形に列ねて作り、長方形の框(わく)に入れたもの。最近は鋼鉄や真鍮製の針金で作ったものを用いる。経(たていと)をその目に通して整え、緯(よこいと)を通すたびにこれを圧して、布の織り目を密にするために用いる。
古今(905‐914)恋五・七五八「須磨あまのしほやき衣おさをあらみまどほにあれや君がきまさぬ〈よみ人しらず〉」
② 矢の容器の箙(えびら)や空穂(うつほ)の名所(などころ)。鏃(やじり)を差し込むための細長い板をつらねた簀子(すのこ)をいう。
③ 魚のえら。〔日葡辞書(1603‐04)〕
[補注]漢字「杼」「梭」をあてることもあるが、「杼・梭」は「ひ」であって、本来「おさ」とは別のものである。「節用集」にも「梭(ヲサ)」(饅頭屋本・黒本本)とあり、この頃から混同されるようになったものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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