立山道(読み)たてやまみち

日本歴史地名大系 「立山道」の解説

立山道
たてやまみち

立山および立山信仰の拠点である立山町の芦峅あしくら寺・岩峅いわくら寺への参拝道。雄山おやま神社は雄山山頂のみね本社と、立山登山口の芦峅寺にある祈願殿(中宮)岩峅寺の前立社壇の三社からなり、立山道は芦峅寺・岩峅寺に至る街道と、芦峅寺・岩峅寺から立山への登山道とに区分され、後者は山中禅定路ともいわれる。山中禅定路は芦峅寺からふじ橋を渡り、加利耶須かりやす弥陀みだヶ原・室堂むろどうを経て峰本社を参拝するコースである。芦峅寺・岩峅寺への参詣道は、中世には森尻もりじり(森尻寺、現上市町)日中につちゆう(日中寺)米道よねみち(大伝寺)を経て下田みさだ(以上、現立山町)より芦峅寺への道筋であったと立山信仰の寺社所在地より推定されているが(富山県歴史の道調査報告―立山道)、文明一八年(一四八六)に立山を参拝した聖護院道興は、練合ねりや(現新湊市)から岩蔵川(常願寺川)へ至り、大森おおもり(現立山町)を通って、立山を参拝している(廻国雑記)

近世には越中の中心街道の北陸街道整備と、また城下町富山の整備も進められ、芦峅寺・岩峅寺への立山道は滑川なめりかわ町と富山城下を始点とするものが中心となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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