窪木(読み)くぼき

日本歴史地名大系 「窪木」の解説

窪木
くぼき

久保木くぼき町付近に比定される室町時代の地名。地名の由来は東条とうじよう川に近接した窪地という地形にあると思われるが、昔氏神住吉神社に時の帝の勅願があり、幔幕一領を寄せられたのを村人が大変喜んで、それを永久に保存するという意味で久保喜と命名したという伝承もある(小野市誌)東条川下流の左岸に位置し、現久保木町域は北部が標高約三〇メートルの段丘面に、南部が五〇メートルの段丘面に立地するという二つの地形に分れ、五四の小字がある。奈良東大寺領大部おおべ庄域の北東端に位置する(播磨国大部荘現況調査報告書)。元亨三年(一三二三)七月五日の六波羅御教書案(東大寺文書)に「播磨国窪木地頭白井八郎」とみえ、白井八郎以下輩が大部庄に乱入し狼藉を行っている。

窪木
くぼき

永正一二年(一五一五)九月二日の東南院門跡領当知行目録(東大寺文書)に播磨国の所領としていち別符などとともに窪木とみえる。これらの奈良東大寺東南とうなん院領は栂尾殿義仁親王から東南院宮観覚親王に伝領されていたものと考えられる。現福居ふくい町の西部近世別名べつめ村内に久保木くぼき山・久保木谷、地続き神崎かんざき郡内には久保木池があり、窪木はこの付近と推定できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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