穏座(読み)オンザ

デジタル大辞泉 「穏座」の意味・読み・例文・類語

おん‐ざ〔ヲン‐〕【穏座】

大饗たいきょうなどのとき、正式の宴のあとで、管弦舞楽を催し歓談を行う、くつろいだ席。おんのざ。→宴の座
野菜果物などの、盛りが過ぎたあとにできたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「穏座」の意味・読み・例文・類語

おん‐ざ ヲン‥【穏座】

〘名〙
① (━する) くつろぎ、落ち着くこと。また、その場所。安心できる場所。
※土井本周易抄(1477)五「初六は穏座せぬなりぞ」 〔蘇軾‐遷居臨皐亭詩〕
朝廷の節宴、臣下の大饗(たいきょう)などの時、正式の勧杯(けんぱい)のあとで席を改め、酒宴奏楽演舞などの興を催す所。また、そのこと。おんのざ。⇔宴座(えんのざ)
※延喜式(927)一一「三献訖参議已上出着東廊。頃之入北戸。更着穏座
③ 食事の最後に出る食べ物(日葡辞書(1603‐04))。
④ ③から転じて、物の盛りの過ぎたもの。特に、果物、野菜などの盛りの時期を過ぎたもの。また、その時期。→おんざ(穏座)の初物。〔日葡辞書(1603‐04)〕

おん‐の‐ざ ヲン‥【穏座】

〘名〙 =おんざ(穏座)

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世界大百科事典(旧版)内の穏座の言及

【宴会】より

…これは平安時代の史料にみられ,陣座(じんのざ)における公卿の仗議(政務の審議)が終わったのち,あるいは太政官での定考(こうじよう),列見(れつけん)の儀が終了したのちなど,政務のあとで酒肴が供される。このような場合には,正式の饗宴のあとでしばしば穏座(おんざ)といわれる二次会も行われる。同じ政務にともなう宴会で,これとやや異なるものもある。…

【酒】より

…勧盃あるいは三献はあくまで儀礼であり,これを宴座(えんのざ)と称した。これに続く穏座(おんざ)はかなり自由にふるまえるものであった。また天皇から殿上人に酒をたまわる淵酔(えんずい)と呼ばれる酒宴も催されていた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」