積丹(読み)しゃこたん

改訂新版 世界大百科事典 「積丹」の意味・わかりやすい解説

積丹[町] (しゃこたん)

北海道西部,後志(しりべし)支庁積丹郡の町。人口2516(2010)。日本海に突出する積丹半島の先端部を占め,南部に余別(よべつ)岳(1298m),積丹岳(1255m)がそびえ,山地が多く,広葉樹林の国有林が広い。集落は海岸沿いおよび積丹川流域に点在し,中心は美国(びくに)である。1706年(宝永3)美国,積丹(現,野塚付近)に場所(交易所)が置かれてニシン漁で栄え,松浦武四郎の《西蝦夷日誌》では西蝦夷の繁昌場所7ヵ所の一つに数えられている。昭和に入ってニシン漁は減ったが,余別,美国のほか5漁港があり,スケトウダラ,イカの水揚げが多く,近年はウニアワビの種苗放流,大規模養殖漁場の造成などが行われている。農業は酪農,肉牛飼育を主とし,国営農用地開発事業の進展に伴って伸びている。《ソーラン節》発祥の地といわれる。海岸部はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定され,積丹岬神威(かむい)岬などの景勝地が多い。国道229号線が余市(よいち)へ通じる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報