神威岬(読み)かむいみさき

精選版 日本国語大辞典 「神威岬」の意味・読み・例文・類語

かむい‐みさき【神威岬】

北海道西部、積丹(しゃこたん)半島北西端の岬。先端海中に神威岩があり、安政三年(一八五六)まで岬から奥地女人禁制で知られた。御冠(おかむい)崎。

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デジタル大辞泉 「神威岬」の意味・読み・例文・類語

かむい‐みさき〔かむヰ‐〕【神威岬】

北海道西部、日本海に突出した岬。積丹しゃこたん半島の北西端にあり、海食地形で知られる。
北海道北部、オホーツク海に面した岬。北見神威岬。

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日本歴史地名大系 「神威岬」の解説

神威岬
かむいみさき

枝幸郡枝幸町と同郡浜頓別はまとんべつ町との境界に位置する岬で、オホーツク海に突き出す。北見神威きたみかむい岬とも。斜内しやない(四三八・九メートル)尾根が海岸に迫り、岬先端は約二〇〇メートルの断崖をなしムラサキツツジ、ハイマツなどの高山植物が自生する。低平・単調なオホーツクの海岸線では際立つ存在で、北見神威きたみかむい灯台が設けられている。海岸は岩礁の多い荒磯で、海岸に国道二三八号が通じるまで斜内山道のみの交通の難所であった。

神威岬
かむいみさき

積丹半島の北西端にある岬。岬の北西に神威岩・メノコ岩などがあり、岩礁地帯となっている。近世にはヲカムイ(「正保日本図」高木崇世芝氏蔵)、「岡もいの鼻」(津軽一統志)、ヲカムイ崎(西蝦夷地日記)、神岩岬(行程記)、神岬(板本「西蝦夷日誌」)などと記され、シャコタン場所絵図(増田家蔵)ではカムイ崎とする。明治二〇年代の輯製二十万分一図では神威岬とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「神威岬」の意味・わかりやすい解説

神威岬 (かむいみさき)

北海道南西部,日本海に突出する積丹(しやこたん)半島の北西端の岬。基盤の集塊岩が海食に残されて北西に向かって細長く約1km突出し,海食崖が発達している。岬頂は標高83m,無人灯台がある。岬端から北西方の海中に礁脈が約1kmにわたってのび,数個の奇岩が海面上に出ている。高さ40mの神威岩は鋭くとがり,岬端から600mの位置にある高さ10mのメノコ岩は平らな岩で顕岩としては最も外側にある。岬の両側に続く海岸は,山地が海にせまって海食崖が発達し,東方の積丹岬にいたる間は崖下に礫浜が多く,南方の川白岬までの間は崖下に砂浜が多いが,いずれも景勝地が多く,付近一帯の海岸部はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている。かつて雄冬岬茂津多岬とともに西蝦夷三険岬の一つに数えられ,この岬以遠の航海は1856年(安政3)まで女人禁制とされていた。なお同名の岬がオホーツク海岸,枝幸(えさし)港の北西約15kmにもあり,平調な付近の海岸線の中では最も顕著な突角となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神威岬」の意味・わかりやすい解説

神威岬
かむいみさき

北海道西部、日本海に突き出る積丹半島(しゃこたんはんとう)の最西端にある岬。後志(しりべし)総合振興局管内の積丹町に属す。集塊岩が侵食されて残ったもので、岬端(こうたん)は高さ80メートルの断崖(だんがい)となっている。岬前方の海中に僧帽を被(かぶ)ったような大岩(神威岩)があり、アイヌ人が「カムイ」(神)とよんだのが地名のおこりという。帆船時代には、雄冬岬(おふゆみさき)、茂津多岬(もったみさき)とともに蝦夷三険岬(えぞさんけんみさき)とか西蝦夷三険岬とよばれる航海の難所であった。ここを通る船は帆を下ろし、神へ捧(ささ)げる米や酒を海中に投じて航海の安全を祈ったという。1888年(明治21)岬端に灯台が設けられた。また1856年(安政3)までは、この岬から奥地は女人禁制で、民謡『江差追分』にも「恨みあるかよ御神威様はなぜに女の足とめる」と歌い込まれている。ニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園に属す。

[瀬川秀良]

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百科事典マイペディア 「神威岬」の意味・わかりやすい解説

神威岬【かむいみさき】

北海道積丹(しゃこたん)半島突端の岬。前方の海中に高さ41mの神威岩がある。御冠(おかむい)崎,オカムイ崎とも称した。航海の難所で,お神威様として航海者に畏敬(いけい)され,幕末まではこの岩以北への婦女子の通行が許されなかった。先端に光達距離23カイリの灯台があり,一帯はニセコ積丹小樽海岸国定公園に属する。
→関連項目積丹[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神威岬」の意味・わかりやすい解説

神威岬
かむいみさき

北海道西部,日本海にのぞむ積丹半島北西端の岬。積丹町に属する。茂津多岬,雄冬岬と並ぶ西蝦夷三険の1つといわれたところ。付近は海食崖が発達し,奇岩が多い。積丹半島の主要観光地で,ニセコ積丹小樽海岸国定公園に属する。

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