稲橋村(読み)いなはしむら

日本歴史地名大系 「稲橋村」の解説

稲橋村
いなはしむら

[現在地名]稲武町稲橋

名倉なぐら川を挟んで武節町ぶせつまち村と対す。ほぼ東西に飯田街道が通ずる。寛永一三年(一六三六)以前は武節郷のうち川東五ヵ村の大庄屋が置かれた。延享元年(一七四四)の御水帳高辻写下書(古橋会蔵)に、村高七五石余は天正一八年(一五九〇)宮部善定坊の検地によると伝える。寛永一三年に武節稲橋村方騒動のため川東五ヵ村・川西六ヵ村の大庄屋は罷免され、このとき天正の水帳はひきあげられたという。後年の山論史料の乍恐返答書ヲ以書上候(古橋会蔵)に「然処百拾四年以前寛永拾三丙子年町村庄屋惣兵衛と惣百姓共出入出来仕候得ハ(中略)其節之御代官鳥山牛之助様吉良東上御役所江訴出ニ付両村共ニ庄屋役被召上、其節より帳面相分り拾一村と罷成候」とあり、川西の武節村の大庄屋も罷免されて、武節一一ヵ村として各々に分れたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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