秩父七湯(読み)ちちぶしちとう

日本歴史地名大系 「秩父七湯」の解説

秩父七湯
ちちぶしちとう

秩父地方にある江戸時代から続くおもな鉱泉総称で、現在の秩父市山田やまだ新木あらき鉱泉、横瀬よこぜ横瀬根古屋ねごや大指おおざす鉱泉、荒川あらかわ日野ひのはとの湯、同村白久しろく鹿しかの湯、同村小野原おのばら柴原しばはら鉱泉、吉田よしだ町上吉田の千鹿谷ちがや鉱泉、同町太田部おおたぶ梁場やなば鉱泉の七湯をいう。これら七湯の起源は明らかでないが、柴原鉱泉については「風土記稿」小野原村の項に、「小名芝原ニアリ、村ノ北方ニシテ贄川村界ノ谷間ニテ、両岸ニ湯潭一ケ所ツヽアリ、共ニ大サ五尺ニ二尺五六寸ハカリ、石モテ積立シ潭ナリ、其来由ヲ尋ヌルニ、イツノ頃ヨリ湧出ルコトニヤ知モノナシ、慶安五年村ノ水帳ニモ、此辺ヲ湯本ト記セシヨシ、其古キコトヲシテ知ヘシ」とあることから、近世初期には湯治場として利用されていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の秩父七湯の言及

【荒川[村]】より

…林業と養蚕が主たる産業であったが,現在は,シイタケ,コンニャクイモの栽培に加え,ブドウ,栗を中心に観光農業の振興が図られている。秩父七湯といわれる鉱泉郷の中心で,日野,柴原,白久などに鉱泉宿がある。秩父鉄道三峰口駅は三峰山,二瀬ダム,小鹿野方面への玄関口である。…

※「秩父七湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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