福川(読み)ふくがわ

日本歴史地名大系 「福川」の解説

福川
ふくがわ

利根川右岸沖積低地を東流する一級河川。現在、河川管理上は岡部おかべおかの字堤際つつみぎわ地先を起点とし、深谷市中部から妻沼めぬま町南部をほぼ東流し、行田市酒巻さかまきで利根川に合流する。流長約二〇・八キロ、流域面積約七六・八平方キロ。「風土記稿」の幡羅はら郡総説の項によると、かつての福川は「水元ハ二流アリ、一ハ榛沢郡ヨリ湧出ル丈方川ト云細流ナリ、一ハ本郡西別府ノ沼池ヨリ流出、江袋村ニテ合シ、夫ヨリ福川ト唱」とあるように、櫛挽くしびき台地北縁部の湧水丈方じようほう川となって東流し、西別府にしべつぷ(現熊谷市)の沼の湧水を合せて江袋えぶくろ溜井(現妻沼町)に至り、ここから下流を福川とよんだようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福川の言及

【新南陽[市]】より

…中世は東大寺領であった。夜市(やじ)川河口の旧福川町は漁港で,近世には富田とともに山陽道に沿う宿駅,市場町として栄えた。また近世以降盛んに干拓地の開発が進められ,第2次大戦前まで製塩業地としても知られた。…

※「福川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」