神西湖(読み)じんざいこ

日本歴史地名大系 「神西湖」の解説

神西湖
じんざいこ

出雲市と簸川ひかわ湖陵こりよう町の境界にある湖。十間じつけん川・常楽寺じようらくじ川などが流入し、湖水差海さしみ川口から日本海に流入する。現在の面積一・三五平方キロ、周囲約五キロ。かつては神門かんど水海とよばれ、「出雲国風土記」には神門郡家の真西四里五〇歩、周囲三五里七四歩とある。出雲大川といわれた斐伊川や当時の神門川(神戸川)北東から流れ入り、この湖の北西隅から日本海に流れ出ていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神西湖」の意味・わかりやすい解説

神西湖
じんざいこ

島根県北東部、出雲(いずも)市の中北部にある潟湖(せきこ)。面積1.35平方キロメートル、周囲約5キロメートル。『出雲国風土記(ふどき)』には神門水海(かむどのみずうみ)と記される。南方にそびえる三瓶(さんべ)山との調和がよい。貞享(じょうきょう)年間(1684~1688)出雲平野の開拓者大梶七兵衛(おおかじしちべえ)(1621―1689)が差海川(さしみがわ)運河を開削して湖水を日本海へ流出させ、流域水害から守るとともに新田を造成した。ジシミ漁が盛ん。湖畔にはクアハウス国民宿舎がある。

飯田 光]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神西湖」の意味・わかりやすい解説

神西湖
じんざいこ

島根県北東部,出雲市西部にある湖。『出雲国風土記』にある神戸水海 (かんどのみずうみ) の名残りで,砂丘内側にできた潟湖。面積 1.35km2。神西八景といわれる瀬崎の鼻,御上覧の松などがあり,釣場としても知られる。南西岸に湖陵温泉がある。

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デジタル大辞泉プラス 「神西湖」の解説

神西湖

島根県出雲市西部にある海跡湖。面積約1.14平方キロメートルの汽水湖で、差海川によって日本海と結ばれる。シジミ漁が盛ん。マガモ、スズカモなどの越冬地で、環境省選定重要湿地

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世界大百科事典(旧版)内の神西湖の言及

【出雲平野】より

…斐伊(ひい)川と神戸(かんど)川による沖積平野で,斐伊川の河道変遷により成長した。南西部の神西(じんざい)湖は《出雲国風土記》の神門水海(かんどのみずうみ)で,付近には沼沢地がかなり広がっていた。かつて斐伊川は出雲市小山の微高地の北を通って西流し,神門水海の北部を沖積して大社町付近の土地を形成した。…

【湖陵[町]】より

…出雲平野の最西端に位置し,東は出雲市に接し,日本海に面する北西部は砂丘地帯を形成する。出雲市との境にある神西湖は,古くは神門水海(かんどのみずうみ)と呼ばれ現在よりもはるかに大きな湖で,現在の町の中心部と付近の低地はすべて湖底であったが,貞享年間(1684‐88)の差海(さしみ)川の開削によって水位が下がり広い新田が開けた。養豚が盛んで,西浜地区の砂丘地には養豚団地が形成されている。…

※「神西湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」