神殿村
こうどのむら
[現在地名]川辺町神殿
清水村の北西に位置し、村内を神殿川が南西流する。軸屋・上・中福良（現在は中服良）・神之下・下里・瀬戸山の集落がある。嘉元四年（一三〇六）四月一四日の千竈時家譲状（千竈文書）によると、時家の嫡子貞泰に「かうとのゝむら」などが譲られている。応永七年（一四〇〇）三月三〇日、島津元久が「神殿村」を二階堂行貞に与えている（「島津元久書下」二階堂氏正統家譜）。地内の鳴野原は島津義天譜（旧記雑録）に「薙野原」とみえる。同家譜によると、応永二四年九月に伊集院頼久が島津久豊方の松尾城を攻め、久豊方の援軍の将和泉直久・蒲生清寛・伊地知将監らが薙野原で戦死している。
神殿村
かんどのむら
[現在地名]下山村神殿
巴川の支流大桑川に沿い、東は大桑村、南は和合村・荻島村・芦原子村、西は梶村、北は平瀬村・黒岩村・立岩村に接する。集落は小起伏面上の山麓に点在。現主要地方道阿蔵―本宿線と県道菅沼―東大沼線が通る。寛永一二年（一六三五）当時、成瀬伊豆守領。
神殿村
こどのむら
[現在地名]奈良市神殿町
東九条村の東にある。寛弘九年（一〇一二）三月の大僧正雅慶書状（久原文庫文書）に「年来所領神殿庄田此同意也、仍神主幹等所貢進也」とみえる。神田（神殿）の義か。ちなみに同年三月一一日の大和国今木荘坪付案（東大寺文書）によると「添上郡東七条二里十―十二―十五―十六―神田」とある。うち「十」は現神殿町小字六反田、「十二」が同地蔵田、「十五」が同松本に相当する。「経覚私要鈔」嘉吉三年（一四四三）五月七日条に「神殿庄申両河用水事」、「大乗院雑事記」文明一一年（一四七九）六月二二日条に「一、能登岩井両川用水事、至一昨日新庄第二反給之 自今日神殿庄給之者也」などと記す。
神殿村
こうどのむら
[現在地名]飯高町宮前 神殿
滝野村の南、櫛田川の左岸にあり、村域内を和歌山街道が通る。「五鈴遺響」に「神殿ノ名義ハ滝野神社ニ対スル名ナルヘシ」とある。寛永一八年（一六四一）検地帳（徳川林政史蔵）に「神殿村」と記されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
